親知らずの移植
↙️ ② ↙️ ① ①に抜歯の選択しかない大きな虫歯があり、 そこへ本来必要のない②の親知らずを移植した症例です。 インプラントでもブリッジでも部分入れ歯でもない、 コストも抑えられ、無駄な切削もない治療方法です。 親知らずを抜歯した所にはまるように削り、縫って固定をします。 移植した直後の写真です。 赤○・・・抜歯する歯 青○・・・左写真の親知らず(○)を抜歯したところへ移植し、 根管治療を行いました。現在正常に噛むことができています。歯の移植(自家歯牙移植)のメカニズム
「歯根膜」
「歯の移植(再植/自家歯牙移植)」は、一度抜歯した歯を新しい場所で機能させる治療法です。どうしてそんなことが可能になるのでしょうか。その一番のポイントは、「移植歯」の周囲に存在する歯根膜(しこんまく)です。
歯は骨の中に埋まっています。その骨と歯をつなぐ組織が「歯根膜」です。この歯根膜は、歯の根の全体を覆うように存在していて、その中には再生能力の高い細胞がたくさん含まれています。ただ、再生する必要がない状況では、この細胞は眠っているのが普通です。そこに「歯の移植(再植/自家歯牙移植)」という刺激を与えることで、再生能力を持つ細胞を活性化させるのです。その効果をねらい、「移植歯」を移植する際には、その周囲に存在する歯根膜も一緒に移植します。
活性化した細胞では、骨をつくる細胞(骨芽細胞)や、歯ぐきと骨が結合するのに必要な細胞(セメント芽細胞、線維芽細胞など)が通常の6倍以上の勢いで増殖します。この結果、歯を支える組織(歯周組織)も再生し、移植した歯と周囲の骨をつなげられるというメカニズムが働きます。
「移植歯」の周囲にある歯根膜の中の再生能力の高い細胞の存在によって、歯の移植(再植/自家歯牙移植)は実現するのです。
歯の移植(自家歯牙移植)の成功とは
成功するためには?- 歯根膜がしっかりと再生能力を発揮すること
- 移植した歯と移植を受ける側の歯茎をしっかり合わせ、なるべく動かいないよう固定すること
- 移植歯を触らない・噛まない
親知らずの移植