こんにちは 台東区御徒町にある歯医者
BINO御徒町歯科クリニック 事務担当です。
今回も前回のPMTC (プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
のお話に引き続きプロケアでしか完全に除去できないバイオフィルムのお話をいたします★
バイオフィルム除去
歯周病菌や虫歯菌などの細菌は、口腔内の過酷な存在環境に対応するため、自らが作り出す菌体外多糖(グリコカリックス)によってバリアを形成しています。
このバリアは、われわれの唾液に対して耐性があるため、強固にバリアで守られている細菌の集合体(プラーク)は、口の中に存在し続けます。
一方、歯面に直接付着できない菌種までも、このプラークが存在することによって口内に居続けることができるようになってしまいます。
このプラークの表面に形成された細菌群の膜状物質をバイオフィルムと呼びます。
細菌どうしが、口内における存在場所の共有や栄養素の需要と供給の面などでお互いに協力し合うことで、これらの細菌の集合体はさらに、安定な状態を保つようになりその存在範囲を広げるようになります。
宿主であるわれわれの白血球や抗体などがこれら細菌群を攻撃しますが、細菌群はバイオフィルムの中にいる限り駆逐されるようなことがありません。
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バイオフィルムによる悪影響
歯の表面にバイオフィルムが形成されてしまうと、歯のエナメル質が唾液に触れなくなり、唾液による洗浄ならびに歯の修復作用が全く失われてしまいます。 そのため、バイオフィルムで覆われてしまった場所は時間の経過とともにその状況は悪化し、歯周病や虫歯などの原因となります。 歯周ポケット内部でバイオフィルムが拡大すると、細菌を攻撃する白血球などの免疫細胞や抗体が登場しこれらを駆逐しようとします。 しかし、バイオフィルムのバリア効果で、免疫細胞や抗体などの攻撃による被害を受けません。 一方、これら細菌群を攻撃し・撃退するはずの免疫細胞が酵素などを排出して、それにより細菌群ではなく歯肉が破壊され、歯肉の炎症がさらに拡大してしまうという最悪なシナリオが進行してしまいます。バイオフィルムの除去方法
バイオフィルムはわれわれの口腔環境内で存在し続けるほどであるので、そのバリア効果は非常に強力です。 そのため、抗菌剤などの化学療法でも、このバリアを壊すことができません。 そのため、歯ブラシや超音波スケーラーなどを用いた機械的な作用による破壊と除去が必要となります。 しかし、ホームケアで用いるような歯ブラシが届く範囲のバイオフィルムはある程度除去することができますが、歯周ポケット内部のような細部にはブラシが届かないので、ホームケアではバイオフィルムを完全に除去することは困難です。 そこで、ノウハウを熟知した専門家による、歯周ポケット内に届く特殊な道具を用いたプロフェッショナルケアが必要となります。 具体的には、いわゆるエアフローによるパウダーメンテナンスが非常に有効的であり、効果が絶大であります。 バイオフィルムはその性質上、少しでも口腔内に残留すると瞬く間に広がってしまうので、除去し残しは絶対に避けなければなりません。
バイオフィルム除去について