筋肉の力を緩めてくれるボツリヌストキシン
歯の食いしばりになぜボツリヌストキシン治療が用いられるのかご存知でしょうか。ボツリヌストキシンとはボツリヌス菌から抽出されるたんぱく質の一種で、精製して毒性を取りのぞいたものを治療に用います。筋肉のはたらきを緩める作用があるので、歯ぎしりや食いしばりが強い方の治療方法として使われることがあります。
噛み合わせや噛む力、口腔の状態を確認後、咬筋(頬のあたり)に注射をするのが治療の流れとなります。個人差はありますが3日〜1週間ほどの効果が現れることが多いです。また、注射の効果は体質、筋肉の強さなどにより若干異なりますが、だいたい持続する期間は、4〜6ヶ月とと言われています。
食いしばりが和らぐ一方で、副作用やデメリットが心配な方も少なくありません。まず副作用というより反応になりますが、注入した部位が皮下出血を起こしたり腫れたりするケースがあります。さらに、ものを噛んだときに違和感を覚えることもありますが、これらの症状は徐々に消えていきます。また、ボツリヌストキシン治療のデメリットを挙げるとすれば、注射で薬剤を注入するために痛みに敏感な方には負担になること、作用が永久的ではないため定期的な通院が必要であることです。くわえて、妊婦・授乳中は治療がおこなえない、医師の技術や経験によって差が現れると行って状況があります。
輪郭に変化が現れる
無意識に食いしばる癖が緩和されると、顔の輪郭にも変化が現れることがあります。咬筋が緩んで貼っていたエラがなくなる、咬筋肥大症が和らいでフェイスラインがスッキリ、顔が小さく見える小顔効果の作用が出るケースもあります。
力が入ることでできていたシワが少なくなる!
下唇を持ち上げるオトガイ筋に力が入ってしまう食いしばりは、梅干しシワと呼ばれる細かなシワを作ります。この部分をボツリヌストキシン治療することで力が緩み、食いしばりと同時にシワの緩和にもつながります。逆に下唇を下げる筋肉の作用が強すぎて、口角が下がる、いわゆる「へ」の字になってしまってる方に注射すると、口元を下がる筋肉の緊張が和らいで、自然と口角が上がる綺麗な微笑みの口元にする効果も期待できます。
医療費控除は対象となる!
食いしばりを緩めるためのボツリヌストキシン治療は、医療費控除の対象になります。医療費控除とは、生計を一緒にしている家族の医療費が1年間で10万円を超えた場合にその超過分が控除されるものです。ただし、同じボトックスでも美容診療には適用されないので気をつけてください。
最後に実際の映像をみていただきます。
注射直後の皮膚表面の状態です。皮膚が赤くなってるのは皮膚を冷やして表面麻酔した影響によるもので注射で赤くなったものではないです。数分で治ります。